「心に残る店員さんとのお買い物のエピソード」
心に残る店員さんといえば、ある大都市の大通りにある、少し高級なブティックの店員さんです。
今から20年近く前、私はその大通りに面するオフィスで働いていました。子供が小さかった私は、ストレスが溜まって気晴らしをしたくなると、昼休みにそのキラキラしたブティックに行っていました。
かといってそんなに毎回たくさんの洋服を買えるはずもなく。
それならなぜそこに通っていたかというと、店員さんと馴染みになったから、そして貴重な時間だったからでした。
レアサイズの私にとって、ぱっと入った店舗に自分にぴったりとサイズの合う服の取扱いがあり、しかもデザイン、価格ともに満足できるというケースはほとんど偶然のラッキーというような確率でした。
そんなに大事な買い物なら、なぜ敢えて時間のない昼休みにするのかと言われそうですが、合計1時間の昼休みのうち、実際にお昼を食べる時間と、オフィスと店舗の間の往復時間を除くと残るのが30分くらい。当時小さい子供を抱えたワーママだった私にとって、自分ひとりで素敵なお店で買い物をするという時間をたとえ30分でも捻出することは、休日であっても至難の業。
そこで昼休みの30分は、そのひとり時間の長さと素敵な店員さんとの会話という面からとても貴重な時間だったのです。
30分間で何をしていたかというと、
1. 店舗の外からお目当ての店員さんがいるかどうかを確認。
2. その店員さんにほしいものを伝える。
3. 店員さんが店の倉庫も含めて私のサイズと希望に合う商品をピックアップしてくれる。
4. その商品を見て気に入ったものを試着、買うかどうか決める(馴染みになっていたので、大体私の好みを把握して気に入ったものを提示してくれる、そして気に入らなければ無理して買う必要もないという関係でした)。
5. 買う場合は支払いを済ませ、場合によっては夕方取りに来る旨伝えて手配。
大体こんな感じです。短時間で集中的に買い物をするので、時には少し余分に買い過ぎたかなというときもありましたが、それでも育児中の自分がアップデートされた服を身に纏っていられるのは、私の好みとサイズを熟知したその店員さんのおかげだというしかなく、とても感謝していました。
確か店舗外、駅近くで出会ったときも店員さんが私のことを覚えてくれていて声をかけてくださったことがありました。
それが、ある日を境に、このショッピングが不可能になってしまったのです。
というのは、自分が別の場所で働くことに・・・何という寂しさ。
私はその店員さんが忘れられず、数年後、夕方何とか時間を捻出して再びお店を訪れました。そのときの私は全く雰囲気の場所で働いていて、また残業も多いなか、仕事に行くのに精いっぱいでその街にはそぐわない野暮な恰好。
ですが、なんと、目当ての店員さんが気づいて、声をかけてくださったのです!
何と嬉しかったこと。
結局、以前私がよく購入していた、私のサイズがあるブランドは取り扱わなくなったということで、お店に足を踏み入れたのはそれが最後となりましたが、あの店員さんのことは生涯忘れることはないでしょう。
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